《小話》冒険の始まり。
「変わってるね」 そう言われるのは、嬉しい。 「普通だよね」 そう言われるのは、飽きた。 小学生の頃から三者面談がある度に、 「可もなく、不可もなくですね」 …そんな面談ばかり。 その当時は、 「すぐに面談終わるから楽」と思ってた。 居眠りする勇気はなくて いつも授業中は起きていたから、 側から見ると「真面目な子」。 実際は、空想に浸ることが多く、 いつも大事なことを聞き逃していた。 だから、成績はあんまりだった。 ずっと普通と言われすぎてきたせいか、 その反動で大きくなるにつれて、 「人と違うことをしたい」 「いろんな世界を見てみたい」 …そんな気持ちが膨らんできた。 だから海外に行くという…