足跡
はてなインターネット文学賞「記憶に残っている、あの日」 タイトル: 足跡 あれから、どのくらい月日が流れただろう 記憶に深く刻まれた傷跡も、もう気にならない ―波は月に寄り添うと必死で 反復のおかげで綺麗にステップを刻んでいるー 再び歩ける自分がいて、そうしない自分がいる 私は波ではない、月でもない 記憶にけじめをつける必要はなく、 ただ、歩む方向が知りたいだけで・・・ ―月明りに照らされて、 砂浜に残された二人分の足跡に合わせて歩くー ―ああ、歩きにくい、負けるものか! 「さあ、家に帰ろう。」