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オリジナルなコミカル系、コメディー系小説

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オリジナルなコミカル系、コメディー系小説の記事

1件〜100件

  • 短篇小説「二次会の二次会」
    2022/06/14 17:18
    短篇小説「二次会の二次会」

    今夜も我ら「二次会」は大いに盛り上がった。「二次会」といっても正確にはまだ「二次会」の一次会で、これから我々はいよいよ「二次会」の二次会へと向かうところだ。 我々が言うところの「二次会」というのは二次的、つまり各所で副次的な役割を果たす人間の集まりで、副部長、副店長、副支配人、副キャプテンなど、その肩書きに「副」の字がつく人々が一堂に会するサークルである。それぞれが副次的な役割に甘んじているがゆえに、そこは自然と愚痴の温床になる。ゆえにサークルというよりは、いっそ秘密結社と言ってみたくなる気分もある。上司(=副次的でなく主たる役割の人々、たとえば部長や店長)への愚痴が違いを惹きつけあうように、…

  • 自作短篇小説「窓のない観覧車」をマインドマップ化する試み(本末転倒)
    2022/06/09 14:40
    自作短篇小説「窓のない観覧車」をマインドマップ化する試み(本末転倒)

    小説を書く手段として、いわゆる「マインドマップ」というものを使ってみようと思った。いま流行っているのか、それともだいぶ前から流行っているのかもしれないが、以前お笑い芸人のかが屋がネタ作りの際に使っていると聴いて、なんとなく気になってはいた。あの言葉が枝分かれしていく、チャートみたいなやつである。とはいっても、いきなり何をどうやっていいのかわからない。ということで、まずは自分が先日ここに書いた短篇小説「窓のない観覧車」を、マインドマップ化してみてはどうかと考えた。通常とは逆の手順になるが、手はじめには素材があるほうがやりやすい。tmykinoue.hatenablog.comソフトはとりあえず、…

  • 短篇小説「窓のない観覧車」
    2022/05/26 17:41
    短篇小説「窓のない観覧車」

    窓のない観覧車に、髭のない少年が乗っていた。窓のない観覧車は不粋だが、髭のない少年は不粋とは言えないだろう。少年にこの先、髭が生えてくるかどうかはわからない。 もちろん高所からの絶景など、望むべくもない。だがどれだけ待っても観覧車に窓がつかないのは、まず間違いのないところだった。足し算から掛け算の時代を経て、いまや何ごとにつけ引き算の求められている世の中だ。そんなご時世、なにかしらオプションが増えるというのはあり得ない選択肢というほかない。 それは観覧車というよりは、荷物を載せて運ぶコンテナというほうがふさわしかった。それに乗って観覧できるものといえば、ただ錆の浮いたコンテナの無愛想な内壁だけ…

  • 短篇小説「帰ってきた失礼くん」
    2022/05/21 17:32
    短篇小説「帰ってきた失礼くん」

    「失礼しま~す!」 今日も失礼くんが、元気よく知らない店に入りこんでゆく。本日の訪問先はパン屋だ。しかし失礼くんは特にパンを食べたいわけでも、誰かにおつかいを頼まれているわけでもない。ただ純粋に、失礼したい一心でそう言っているのだ。「ほら僕って、朝はごはん派じゃないですかぁ」 入口付近にあるトレイとトングを手にした失礼くんは、トングを無理やり箸のように握ってそう言った。店内には他に客も店員もいるが、特に誰に向けて言っているわけでもない。みな知らんぷりを決め込んでいる。もちろん彼にわざわざ朝食の好みを訊いた者など、誰もいなかった。「だけど最初にこのトレイとトングを手に持ってしまったからには、もう…

  • 短篇小説「芝生はフーリッシュ」
    2022/05/13 16:27
    短篇小説「芝生はフーリッシュ」

    どうやらわたしは公園のベンチで、サングラスを掛けたまま眠り込んでいたらしい。おかげで昼か夜か、起きてすぐにはわからなかった。サングラスを外すと、これまでに見たことのないような、色とりどりの世界が目の前に広がった。色とりどりにもほどがあった。それはつまり自動的に、夜ではないということになる。 正面にフーリッシュグリーンの芝生が広がり、それを囲い込むように配置されたオールドスクールレッドのベンチの脇には、ミートボールブラウンの土に満たされた花壇が並んでいる。 花壇のそこここには、アコースティックブルーやオルタナティヴイエローやジューシーオレンジに彩られた花が咲き乱れ、その傘の下をデスパレートブラッ…

  • 歴史チップス2022年2月号ユメ味
    2022/03/06 11:49
    歴史チップス2022年2月号ユメ味

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  • 歴史チップス2022年3月号侵攻味
    2022/03/06 11:49
    歴史チップス2022年3月号侵攻味

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  • 歴史チップス2022年1月号火元味
    2022/01/07 13:55
    歴史チップス2022年1月号火元味

    ━━━┃━┃━┃━━━━━━━━━━━━┃━┃━┃━━━★◇☆☆★◇☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆◇☆◇★◇☆☆◇★◇☆  ~ 月刊・歴史チ...

  • 歴史チップス2021年12月号英雄味
    2022/01/07 13:55
    歴史チップス2021年12月号英雄味

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  • 歴史チップス2021年11月号皇族味
    2022/01/07 13:55
    歴史チップス2021年11月号皇族味

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  • 短篇小説「感謝しかない」
    2021/12/13 18:16
    短篇小説「感謝しかない」

    今朝はあやうく寝坊するところだったが、スマホのアラームがちゃんと鳴ってくれたお蔭で予定どおり起きることができた。スマホには感謝しかない。 それ以前にベッドがあるお蔭で、僕は寝坊するほどに眠ることができている。ベッドにも感謝しかない。 もちろん寝るために必要なのはベッドだけじゃなかった。枕にも布団にも感謝しかない。シーツはもうところどころ破れかけてはいるけれど、破れないように頑張ってくれているのがわかるから、結局のところ感謝しかない。 羽毛布団からは頻繁に羽が飛び出してくるが感謝しかない。おかげで当初のふわふわ感はどこへやら、すっかりせんべい布団になってはいるが、それが布団である以上は感謝しかな…

  • 短篇小説「ワンオペ村」
    2021/12/03 19:08
    短篇小説「ワンオペ村」

    同期一の出世頭と目されていた業田作一郎が、ある日仕事で重大なミスを犯した。彼はその責任を負わされて、このたび離島のワンオペ村へ飛ばされることになった。ワンオペ村はその名のとおり、何から何までワンオペでおこなわれると評判の村である。彼は転勤前から、その噂に戦々恐々としていた。何から何までというのが、どこからどこまでなのかがさっぱりわからなかったからだ。 転勤先のワンオペ村支店に出社する当日の朝から、作一郎はさっそくワンオペの洗礼を受けることになった。この村では、まず新居である自宅マンションの部屋を出る際に、玄関ドアを閉める動作と施錠を、なんと分業ではなくワンオペでおこなわなければならない仕様にな…

  • 短篇小説「ガチ勢とその後続」
    2021/11/24 18:12
    短篇小説「ガチ勢とその後続」

    あるコンサート会場の入場口に、開演前の行列ができていた。その先頭に並んでいる第一の集団は、もちろんガチ勢であった。 ガチ勢のうしろには、マジ勢が陣取っていた。ガチ勢とマジ勢は、どちらがよりガチのファンで、どちらがよりマジのファンかで言い争っていた。結果、ガチ勢のほうがよりガチで、マジ勢のほうがよりマジであるということに決した。なんの意味もない議論であった。 マジ勢の後方には、スキ勢が続いた。スキ勢はこの日コンサートをおこなうアーティストのことを間違いなく好きであったが、好きになれる部分しか見ていない人たちだった。ガチ勢とマジ勢は、そこがどうにも許せない。本当に対象のことを好きであるならば、嫌い…

  • 短篇小説「話半分の男」
    2021/11/16 19:00
    短篇小説「話半分の男」

    私と話半分の男の出会いは奇妙なものだった。ある日私が近所を散歩していると、蓋のない側溝に気をつけの姿勢で、仰向けに寝そべっている男が目に入った。その中年男性は、冬なのに半袖半ズボンを着用していた。私はなるべく目を合わせないように、その脇を通り過ぎようとした。だが見て見ぬふりを貫くというのは、思いのほか難しいものだ。「いやマラソン大会の途中で、小川に流されてしまってね」 男が唐突に、訊かれてもいない自らの事情を説明しはじめたのだった。周辺を歩く人はほかに見あたらず、男が私に話しかけているのは明白だった。私は無視して通過しようかとも思ったが、自らの手を汚さない範囲で、なんらかの助けを呼んでやるくら…

  • 「新語・流行語全部入り小説2021」
    2021/11/05 19:32
    「新語・流行語全部入り小説2021」

    ある雨上がりの朝、古びたカエルのマスコットキャラクターが、SDGs(粗大ごみのsサイズ)のステッカーを貼られてごみ置き場に捨てられていた。それは昨日まで近所の薬局の店頭に立っていたものだった。粗大なのにsとは、大きいのか小さいのかわからない。 学校へと向かう人流の中からその姿を見つけた中学生のウマ娘は、ふとごみ置き場の前に立ち止まり、自らの圧倒的なカエル愛に初めて気がついたのであった。 ウマ娘は、自分をウマ娘として誕生させた親ガチャに失望していた。彼女は自分が本当は鮮やかな緑色のカエル娘になりたかったことを、いまさらながら発見してしまったのである。極度にカラフルな服装を好むZ(ZAZY)世代な…

  • 短篇小説「匂わせの街」
    2021/09/27 19:13
    短篇小説「匂わせの街」

    冒険の途中でふと喉の渇きをおぼえたわたしは、夕暮れどきに立ち寄った街でカフェのドアを開けた。「いらっしゃい! そういえば最近、夜中になると二階から妙な物音がするんだよ」 カウンターでカップを拭っている髭のマスターが、ありがちな挨拶に続けてなにやら唐突な相談を持ちかけてきた。さすがに気になったので、初対面ではあるが、わたしはボタンを押してもう一度話しかけてみた。すると、「いらっしゃい! そういえば最近、夜中になると二階から妙な物音がするんだよ」 マスターは、先ほどと一言一句同じ台詞を繰り返すのだった。わたしはひどく馬鹿にされているような気がしたが、ふと喉の渇きを思い出して、ここは飲み物にありつく…

  • 145字小説「駆け出しのAI」
    2021/09/08 23:53
    145字小説「駆け出しのAI」

    私の自動車にはAIが搭載されている。私はその実力を試すように、崖の手前に差しかかったところでAIへ指示を出す。「アホクサ、ブレーキかけて」 「はい、かしこまり」 すると自動車のブレーキが、脱兎のごとく駆け出した。私は奈落の底へと沈みゆくマイカーの中で、この文章を書いている。 アホクサに漢字は難しい。

  • 電子書籍『悪戯短篇小説集 耳毛に憧れたって駄目』無料配布キャンペーンのお知らせ2021…夏
    2021/08/12 16:54
    電子書籍『悪戯短篇小説集 耳毛に憧れたって駄目』無料配布キャンペーンのお知らせ2021…夏

    なんとなくの思いつきで、久々に拙著電子書籍の無料配布キャンペーンを開催することにしました。シェフの気まぐれサラダと同程度の気まぐれで。見出しの最後にちょっとだけJ-WALK感。(気づいたところで何?)どれくらい気まぐれかというと、こうして久々とか言いながら、実は一年ちょっと前にもやっていたという。自分の書いたお知らせが、自分に一番届いていなかった可能性。tmykinoue.hatenablog.comしかも改めて読んでみるとかなりの情報量を書いていて、まあ当然のように余計なこともいっぱい書いてあるわけですが、と書いているこの一行こそが余計なことであるわけですが、電子書籍の中身に変わりはないので…

  • 短篇小説「オール回転寿司」
    2021/07/30 19:27
    短篇小説「オール回転寿司」

    私は先日、いま話題の「オール回転寿司」へ行った。まさかあんなに回るとは。回る回るとは聞いていた。しかしその回転の度合いは、私の想像をはるかに超越したものであった。こんな店が繁盛しているということは、人間はとにかく回ることを愛する生き物であるということだろう。さすが、回転する星の上で生活することを選んだだけのことはある。どうりで竜巻のようなジェットコースターに長蛇の列ができるわけだ。夕飯時を迎えた「オール回転寿司」の店頭にも行列ができていた。入口の脇で理髪店前に立つべき三色縞のサインポールが回っているのは、それによって列に並ぶ客の回転スピードをコントロールしているからだ。「行列の回転」といっても…

  • 短篇小説「兄不足」
    2021/07/03 15:52
    短篇小説「兄不足」

    太郎は次郎に知っていることを話した。知っているというのは太郎が知っているという意味で次郎は知らない話だ。太郎だっていまこそ知っているが昨日までは知らなかった話だ。次郎にしてもいまこそは知らないが数分後には知ることになる。あとちょっとすれば晴れてお揃いになるというわけだ。 太郎と次郎は兄弟ではない。次郎は太郎のことを兄のように慕っているが、太郎は次郎のことを弟のように可愛がっているわけではない。太郎も次郎のことをまた兄のように慕っているのだ。 こうなってくると、どちらが歳上かなんてのは些細な問題だ。人が相手を兄と慕う心以上に、その相手が兄であるという事実はない。実際のところ、二人とも相手のほうが…

  • 短篇小説「店滅」
    2021/05/28 18:02
    短篇小説「店滅」

    床に絨毯にアスファルトに頭をこすりつけて謝るだけの仕事を終えた夜、そのまま帰宅しても眠れない予感がした私は、気づけば路地裏に迷い込んでいた。あるいは自ら迷いたくて迷っていたのかもしれない。真っすぐ家に帰りたくないがためにまわり道をすることなら、そういえば子供時代にもよくあった。変わらないことを喜ぶべきか、成長しないことを哀しむべきか。 すでに夜の十時を過ぎていただろうか。路地の両脇に立つ店の看板はどれも真っ暗で、営業時間を過ぎて閉店しているのかとっくに潰れているのかもわからない。 だがその突き当たりにただひとつ、ちかちかと点滅している正方形の電飾看板が立っていた。点いたり消えたりのリズムが不定…

  • 短篇小説「おやつんクエスト」
    2021/04/15 18:21
    短篇小説「おやつんクエスト」

    都会の喧噪を離れたリゾート地たけのこの里に、ルヴァンという名の王子がいた。ルヴァンはことあるごとにパーティーを催すことでお馴染みのリッツ家の跡取り息子で、顔にあばたが多くその皮膚はところどころ塩を吹いている。 かつて隆盛を極めたリッツ家も、ルヴァンの代になるとすっかり勢いを失っていたが、そんなときに限って危機は訪れるものだ。 先ごろ、海の向こうの無人島に聳え立つきのこの山に暗黒の帝王ダースが降臨し、部下の暴君ハバネロとともに、まもなくこのたけのこの里へ攻め込んでくるらしい――そんな剣呑な噂が、里の耳聡いカントリーマアムたちのあいだでまことしやかに囁かれていた。 そんなある日、リッツ家の分家であ…

  • 短篇小説「ネタバレ警察」
    2021/04/13 14:24
    短篇小説「ネタバレ警察」

    新部署に配属されたばかりの越智裕三が、スーパーのおやつ売り場でお菓子のパッケージをひとつひとつ手に取りながらひとりごとを言っている。「『ポッキー』か……これはやっぱり、食べたとき鳴る音からそう名づけられたんだろうな……だとすれば確実にアウト、と。えーっと『ポテトチップス』は……ポテトのチップス……って以外に理由はないだろうから、これもアウト。ああ、『じゃがりこ』ね。もちろん原料がじゃがいもだからなんだろうけど、後半の『りこ』の部分は見えてこないから……まあ審議対象か。といっても25%ラインは遥かに超えてしまっているから、駄目なことは駄目なんだけどな――」 裕三はお菓子を手に取っては棚に戻しなが…

  • 短篇小説「反語の竜」
    2021/04/06 22:10
    短篇小説「反語の竜」

    竜は素直じゃない男だ。彼は産道の中ですらも、「産むなよ、産むなよ」と心の中で念じていたという。もちろん産まれたくないわけではなかった。だが本当に産まれたかったのかどうかは、物心ついていないのでよくわからない。 竜の少年時代には苦い思い出が多い。ある日、昼休みのドッヂボールに夢中になりすぎた小学五年生の竜とクラスメイトたちは、遅れて教室へ突入すると廊下に並ばされ、担任の男性教師に説教を喰らうはめになった。しかしこの担任は温厚な青年で、このときも恫喝するような調子は微塵もなかった。 だが人間、何でスイッチが入るかわからない。そんな気配など微塵もない担任の説諭の最中に、竜が突如として「ぶつなよ、ぶつ…

  • 短篇小説「言霊無双」
    2021/01/22 19:11
    短篇小説「言霊無双」

    目の前を歩いている人がずっと後ろを向いているように見えるのは、シンプルに彼女が後ろ向きな考えを持っているからだ。人は後ろ向きな思考を続けているあいだは、文字通り顔面が後ろを向いてしまうようになった。 それに対して、先ほどから僕の右脇を歩いている男をどんなにジロジロ見つめてもこちらを振り向かないのは、おそらくは借金で首が回らないせいだろう。 ネットやSNSの流行により、言葉によって人が傷つき時には命を失うほどまでに言葉の力が増大した。その結果、言葉は人の身体を容赦なくコントロールするようになった。それは古来「言霊」と呼ばれる言葉の霊力がかつてなく強まった結果だ。 後ろ向き女と首回らな男、この二人…

  • 短篇小説「言わずもが名」
    2021/01/20 20:33
    短篇小説「言わずもが名」

    かつてはこの国にも省略の美学というものがあった。 たとえば俳句。に限らず会話や文章、そして商品のネーミングに至るまで、語られていない行間にこそ価値がある。そこに粋を感じる悠長な時代がたしかにあったのだ。いやあったらしい。私はそんな時代は知らない。物心ついたときからすでに、省略は不誠実と見なされ罰せられる、何もかもが説明過多な時代がすっかり完成していたのだから。 もちろん説明過多というのは過去と比較しての話だ。この時代に生きる私たちはそれを説明過多と感じることはない。なぜならば目にするものも会話も文章も、すべてが常時説明過多であるからだ。 つまりそれはデフォルトであり標準仕様であって多いも少ない…

  • 短篇小説「漕ぎ男」
    2021/01/18 17:59
    短篇小説「漕ぎ男」

    男が自転車を立ち漕ぎしている。 文字通り、サドルの上に立って。ペダルまでの距離は遠いが、いまは下り坂なので問題はない。上り坂が来ないことを祈るばかりだ。 やがてサドルの上に立って進む立ち漕ぎ男の脇を、座り漕ぎ男が追い抜いてゆく。座り漕ぎ男もまた文字通り、地面に座ったまま自転車を漕いでいる。もちろん尻は熱い。 と思いきや、ボトムスの尻部分には二個のローラーがついているので熱くない。なので正確に言えば二輪車ではなく四輪車と言うべきだ。尻ローラーがうなりを上げる。 そうなると次に現れるのはもちろん寝漕ぎ男だ。寝漕ぎ男は前輪と後輪のあいだに、あお向けに寝そべってペダルを漕いでいる。なので寝漕ぎ用自転車…

  • 短篇小説「何もない」
    2021/01/16 19:41
    短篇小説「何もない」

    とある土曜日の夜、私は「題名のない音楽会」へ行った。 それは「指揮棒のない指揮者」が指揮をとり、「バイオリンのないバイオリン奏者」や「チェロのないチェロ奏者」が「音楽のない音楽」を演奏する素晴らしい音楽会。ないのは題名だけでなく、あるのはただ静寂のみであった。 出不精の私をこの素敵な会へと出向かせたのは、「友達のいない友達」からの「誘い文句のない招待状」である。 では「友達のいない友達」にとっての私はいったいどういった存在であるのか。むろん彼には友達がいないはずなので、私とてご多分に漏れず友達ではないと思うのだが、その手紙は間違いなく私宛に送られてきたものだ。 招待状には、当然のように私を招待…

  • 短篇小説「キュウリを汚さないで」
    2021/01/14 19:00
    短篇小説「キュウリを汚さないで」

    工場の真ん中にテーブルがある。テーブルの端で男Aがキュウリに泥を塗っている。 その隣の男Bがたっぷり泥のついたキュウリを受け取ると、シンクへと走りそれを丁寧に洗う。男Bはそのキュウリを、シンク脇に引っかけてある泥まみれの布巾で拭く。キュウリは再びドロドロになるが、このドロドロは男Aがもたらしたドロドロとは何かが違う。何が違うのかは誰にもわからない。 ドロドロのキュウリを預かりに男Cがやってくる。男Cは男Aのいたテーブルに向かい、そこでやはりたっぷり泥を塗ってから、ドライヤーでカラカラに乾かしてゆく。最初は熱風、仕上げは冷風。乾ききった泥キュウリは、すっかり違う表情を見せる。 そこへ下駄を鳴らし…

  • 短篇小説「押すなよ」
    2021/01/12 16:08
    短篇小説「押すなよ」

    「押すなよ押すなよ」あいつは言った。 だから僕は押さなかった。「押すなよ押すなよ」あいつはもう一度言った。 やっぱり僕は押さなかった。だって押すなと言っている。「押すなよ押すなよ」あいつはこれで三回も言った。 こんなに何度も言うってことは、押されるとさぞ大変なことになるのだろう。僕はますます押せなくなった。「押すなよ押すなよ」あいつは懲りずに言っている。 それでも僕は押さなかった。押したって僕にはなんの得もない。そうかそうかそうなのか。僕が押さないのは、あいつのためを思ってのことじゃあなかった。僕はなんて汚い人間なんだ。優しさのかけらもない。「押すなよ押すなよ」あいつはまだまだ言うつもりらしい…

  • 短篇小説「不可視な無価値」
    2021/01/09 12:24
    短篇小説「不可視な無価値」

    右に置いてある物をそのまま右に置いておくのと、いったん左に動かしてから再び右に置き直すのとではまったく意味が異なる。それが我が社の理念である。 これは一度動かしてしまうと同じ右でも位置が微妙に変わってしまうとか、そういうことではない。当初置いてあった場所と、動かした末に戻した場所が寸分違わぬ場所であったとしても、それらはすでに完全な別物なのである。我が社はそういう方針のもとで生産活動をおこなっている。 ゆえに我が社では転勤が異常に多い。東京本社に勤めている者が、ある日突然大阪への転勤を言い渡され、翌日にはさっそく大阪支社へと出社する。そしてその次の日には、再び東京本社の、いつもの席へと出社する…

  • コント「無傷だらけのヒーロー」
    2021/01/08 13:11
    コント「無傷だらけのヒーロー」

    【登場人物】 ガジロー選手(野球のユニフォームを着ている) アナウンサー 試合後のヒーローインタビュー。お立ち台に選手が立ち、その横でアナウンサーがマイクを向ける。深めのエコーがスタジアム全体に響き渡る。アナウンサー「放送席~放送席~。本日の試合で見事完封勝利をおさめました、スワルトヤクローズのガジロー投手です。(ガジローに)いやー、それにしても完璧な復帰戦でしたね!」 ガジロー 「ありがとうございます! 復帰っていうか、ずっと出てましたけどね」 アナウンサー「気づきませんでした! しかし一年半ぶりの登板ということで、だいぶ緊張したんじゃないですか?」 ガジロー 「いや、だからずっと中五日でコ…

  • 短篇小説「動機喚起装置もちべえ」
    2021/01/06 15:06
    短篇小説「動機喚起装置もちべえ」

    私はついに動機喚起装置『もちべえ』を手に入れた。これさえあればどんな願いも叶えたようなものだ。なにしろ成功する人間にもっとも必要とされるものは、実のところ斬新な発想でも強固な人脈でも漲る行動力でもなく、それらすべての原動力であるところの「動機」であるからだ。 物事のスタート地点には、必ず動機というものが存在する。動機なきところに成功などあり得ない。明確な動機なしにはじまったプロジェクトは、内容を問わず途中で推進力を失い必ず頓挫することになっている。動機なき言動に人を動かす力など微塵もないからである。 人がことをはじめる際にもっとも持ちあわせていなければならないが、自らの意志ではけっしてつくりだ…

  • 短篇小説「脂肪動悸」
    2021/01/05 17:26
    短篇小説「脂肪動悸」

    いつもの道を、歩いていた。天井裏かもしれない。天井裏だとしたら、頭がつっかえるはずだがそんなことはなかった。ならばそれは駅へと向かういつもの道だ。 だけどねずみを見かけたような気がする。ねずみは天井裏にいるべきだ。いやどぶの中という可能性もある。なにしろどぶねずみというくらいだから。 じゃあどぶねずみ以外のねずみはいったいどこにいるのか。天井裏ねずみというのは聞いたことがない。必ずしも名前に住んでいるエリアを明記する必要もない。ねずみの話をしたいわけではない。むしろまったく興味はない。路傍にもねずみはいる。ならばやはりいつもの道か。 駅へと続く道。なぜ行き先を駅と言いきれるのか。山かもしれない…

  • 短篇小説「坂道の果て」
    2020/12/31 16:59
    短篇小説「坂道の果て」

    大学受験当日の朝、満員電車から予定通りスムーズに脱出した嶋次郎は、受験会場である志望校へと続く坂道を歩いていた。右へ左へうねりながら延々と続くその登り坂は、まるでこの一年間の道のりのようだなと思いながら。 だが嶋次郎がこの道を辿るのは初めてではない。それは彼が浪人しているという意味ではなく、彼は何度もこの道を実際に通ったことがあるということだ。 嶋次郎は予行演習と称して、受験前に何度も志望校への道をその足で確認していた。もちろん当日と同じ時間帯の同じ電車に乗り、同じ道のりを歩いて。それが勉強をサボるちょうどいい理由になっていたことも否めないが、そこは「息抜き」と心の中で都合よく言い換えてみたり…

  • 短篇小説「土下男」
    2020/12/29 17:52
    短篇小説「土下男」

    土下男はすぐに土下座ばかりするから土下男と呼ばれている。名前はまだない。なんてことはないが誰も彼を本名で呼んだりはしない。彼が死んだら、間違いなくその戒名には土下男の三文字が含まれるだろう。だが土の下に埋められるにはまだ早いと言っておく。 土下男は学生時代から土下座ばかりしていた。宿題を忘れても遅刻をしても買い食いをしても土下座一発で許された。 しかし人はどんな奇抜な動きにも見慣れるものだ。飽きられるにつれて、その効力は着実に弱まっていくことになっている。ならばこちらも強度を上げねばならない。そのためにはどうしたら良いか。土下男はまず、地面に頭をつけている時間を増やすことを考えた。 不祥事を起…

  • ダイブ
    2020/12/29 10:36
    ダイブ

      おれは大きく息を吸い込み、潜った。 これはおれ自身の戦いだ。 もうこれ以上潜れないところまで、潜った。 こんなに潜ったのは初めてだ。 息が苦しい。 肺が圧迫され、頭に血の気が回ってくる。 く、くるしい……。 しかしやらねばならんのだ。 おれは負けない。 負けないぞ! このままの状態を維持することに、全神経を集中させた。 何秒耐えれるか、数を数える。 おお! 新記録だ!! ついにやった。 おれはや...

  • 馬鹿擬音小説「ギュンギュンのウ~ン」
    2020/11/25 16:51
    馬鹿擬音小説「ギュンギュンのウ~ン」

    擬太郎がバーンと開けてガチャッと回しザッザッザッと降りると、空はスカッではなくドンヨリとしてシトシトと降っていた。ザーザーというほどではないしもちろんザンザンにはほど遠い。 マンションのエントランスをパカーンと出た擬太郎は、トントンしていた長いものをミチミチ言わせながらバサッと広げた。その骨が一本バキッとなりクネッとなっていることに一瞬ハッとなるが、プイッと見なかったことにしてスーンと気にせずに差してトコトコと歩きはじめた。 ウ~ンと考えごとをしながら歩いていると、後方でチリンチリンと音が鳴り、擬太郎はサッと道の端へよけた。するとシャーッとその脇をすり抜けるものがあり、さらにその後ろからブッブ…

  • 短篇小説「未遂刑事」
    2020/11/17 18:21
    短篇小説「未遂刑事」

    未遂刑事は未遂事件しか扱わない特殊な刑事だ。彼が関わる事件は殺人未遂、強盗未遂など未遂事件ばかりであり、その解決もまた未遂に終わることを運命づけられている。 未遂刑事の行動は仕事に限らず日常の些事に至るまで、何事も未遂に終わる。だから彼は未遂刑事である以前に未遂人間でもあった。つまり未遂人間がたまたま刑事になったから、めでたく未遂刑事が誕生したというわけだ。 平日の昼間、住宅街で立てこもり未遂事件が発生した。すでに数人の警官が現場である一軒家を取り囲んでいる中へ、お昼休みのランチを見事に途中で切り上げた、つまり未遂に終わらせた未遂刑事の自転車が到着する。 急いでいたためか、彼はやや腰を浮かせた…

  • ショートすぎるショートショート「立ち漕ぎ男」
    2020/11/13 01:06
    ショートすぎるショートショート「立ち漕ぎ男」

    男が自転車を立ち漕ぎしている。 文字通り、サドルの上に立って。 www.youtube.com

  • 短篇小説「自動音声ダイヤル」
    2020/11/10 18:41
    短篇小説「自動音声ダイヤル」

    はい、お電話ありがとうございます。こちらはヒューマン・インスティンクト・テンプル・カンパニー、サポートセンターでございます。 この電話は、自動音声ダイヤルとなっております。通話には、20秒ごとに10円の料金がかかります。場合によっては、10秒ごとに1万石の通話料がかかることもございます。すべては、お客様の対応次第となっております。なおこの通話は、サービスの品質向上、及び従業員らの娯楽のため、すべて録音させていただいております。 以下の番号の中から、お客様のお問い合わせ内容にあてはまるものを、「ぬぷっ」という音のあとにご入力いただき、そのあとに「井」を押してください。「#」ではなく、「井」をご入…

  • 「新語・流行語全部入り小説2020」
    2020/11/06 18:45
    「新語・流行語全部入り小説2020」

    コロナ禍ですっかりテレワーク慣れしたアマビエが、いっちょまえにZoom映えを意識してアベノマスクに香水を振りかけた。マスクに香水を振りかけたところで、においはどんな電波でも伝わらないのだから、アマビエが画面越しに映えることは一切なかった。 本来ならば新しい生活様式だニューノーマルだと言い張って、ついでにGoToキャンペーンにもちゃっかり便乗して、ソロキャンプでもしつつワーケーションと行きたいところではある。しかし同僚のアマビエがPCR検査で引っかかり、事務所がクラスター認定されたいまとなっては、その濃厚接触者である彼女に長距離移動の自由はなかった。 疫病退散を謳う妖怪であるアマビエが疫病にかか…

  • 短篇小説「あれ」
    2020/11/05 18:21
    短篇小説「あれ」

    ある朝のことである。家を出て駅へと向かう道すがら、私は「あれ」を家に忘れてきたことに気づいた。私はいますぐに「あれ」を取りに帰るべきだろうか。だが「あれ」がなくても、今日一日くらいなんとかなるだろう。そう思って私は踵を返すことなく、いつもの通勤電車に飛び乗った。 だがその考えは、あまりに楽観的すぎたかもしれない。私は揺れる満員電車の中でつり革を掴んだり放したりしながら、「あれ」を忘れたことでこの先私に何が起こり得るかを考えた。もはや取りに戻る時間の余裕はない。 このまま会社へ着いたところで、「あれ」がなければ私は自社ビルに入館することすらできないだろう。入口に立つ厳格な警備員が、「あれ」を忘れ…

  • 短篇小説「違いがわかる男」
    2020/11/04 15:57
    短篇小説「違いがわかる男」

    判田別彦は違いがわかる男だ。彼に違いがわからないものはない。いや、わからない違いはないと言うべきか。もちろん「レタス」と「キャベツ」の違いだってわかる。 いい感じなほうが「レタス」で、そうでもないほうが「キャベツ」だ。 別彦にかかれば、「牛肉」と「豚肉」の違いだってお手のものだ。高いとか安いとか、美味いとか不味いとかの問題じゃない。 既読スルーしそうなほうが「牛肉」で、しなさそうなほうが「豚肉」だ。これはとてもわかりやすい判別方法なので、ぜひ憶えておくといい。「牛肉」は返信をわざと遅らせてきたりもする。ちなみに「鶏肉」は電話派だ。「ハイネック」と「タートルネック」の違いは、ちょっと難しい。しか…

  • 短篇小説「品書きのエモい料理店」
    2020/09/30 15:25
    短篇小説「品書きのエモい料理店」

    誰もがグルメグルメとほざく昨今、私はいよいよ通常の美味いだけの料理では飽き足らなくなってしまった。料理とは、ただ物理的に美味いだけで良いのだろうか。演奏の上手いだけの音楽が味気ないように、美味いだけの料理というのもまた、文字どおり味気ないものだ。 私は心を揺さぶるエモーショナルな音楽が好きだ。ならば同じく感情に訴えかける、エモい料理というものがどこかにあるのではないか。そんな疑問を持ちはじめた矢先のことだった。近所に新しい料理店がオープンするというチラシが、ポストに投げ込まれていたのは。 私はオープン初日の開店時間に合わせて、その店を訪れた。なぜならばそのチラシには、「あなたの心に、届けたい料…

  • 短篇小説「耳毛をちぎらないで」
    2020/08/11 20:34
    短篇小説「耳毛をちぎらないで」

    真夜中の路地裏。濡れた壁面に押しつけられ、片耳細コードイヤホンの北村が、大型ふかふかヘッドホンの西沢に左手で胸ぐらを掴まれている。大型ふかふかヘッドホンの西沢は、片耳細コードイヤホンの北村の胸元で自分を挑発するように揺れ動くコードを、右手で強く握り込んで一気に引きちぎった。 北村の片耳細コードイヤホンは、モノラル仕様の片耳分しかない一本の線であった。しかもその末端にあるイヤホンジャックはどこにもつながっていないから、ただ片耳からぶら下がっているだけの不安定なコードを引きちぎるのは思いのほか難しい。だが自らの手首をくるっと回転させ、イヤホンコードを巻き取りつつ巧みに引きちぎる大型ふかふかヘッドホ…

  • 短篇小説「バベルの誤塔」
    2020/08/06 18:39
    短篇小説「バベルの誤塔」

    十年かけて、ついに私は金字塔を打ち立てた。いや実際には金字塔ではなく、隣の塔にそっくりな近似塔なのであった。 高さもデザインも内装もまったくそっくりな違法建築である。そもそも隣の塔が違法建築なのだから、それを真似したらそうなってしまうのは仕方ない。いや違法建築ではなく異邦建築だったかな。そういえば現場で見かけた作業員の多くは、外国人労働者であったような気がしないでもない。 私は今日はじめて、できたてほやほやの我が塔の最上階へ昇ってみた。その際もちろん階段ではなくエレベーターで昇ったわけだが、ちょっと表面がぬるぬるしていたので、私が乗ったのはエレベーターではなくアリゲーターだったのかもしれない。…

  • 短篇小説「AでもないBでもない」
    2020/07/28 18:48
    短篇小説「AでもないBでもない」

    背が高くも低くもない、特に男っぽいわけでも女っぽいわけでもない男が、お昼すぎとも夕食前とも言えない時間帯に、定食屋にもレストランにも見えない飲食店で、昼定食でもランチでもない何かを食べていた。男のほかに客はいなかった。 男が店に入ってきた瞬間、店主でも店員でもない女は、この男のことが妙に気になった。男の姿が、サラリーマンにも工場労働者にも水商売にも無職にも見えなかったからだ。 この店はオフィス街でも歓楽街でも学生街でも田舎町でもない場所に建っていた。特に美味いわけでも不味いわけでもないが、かといって普通というほど普通でもなく、特別というほど特別でもないところが落ち着くと評判の店だった。なんて面…

  • 短篇小説「逆接族」
    2020/07/23 13:58
    短篇小説「逆接族」

    つい先日、関東地方にいわゆる「火球」が落下したのは記憶に新しい。だがそれはもちろん、一般市民の混乱を防ぐために画策された、為政者サイドによる隠蔽工作に過ぎない。実際には皆さんご期待のとおり、そのとき未確認飛行物体が地球上に着陸したのである。 落下直後、現場へ私のような言語学者が呼び出されたのが何よりの証拠だろう。つまり未確認飛行物体には言語を操る何者かが搭乗していること、そしてその相手が地球とは異なる言語圏に住む者であるということが、あらかじめ予測されていたということになる。 真っ暗闇の中、あまりにも予想どおりに青白く光る円盤状の物体から登場したのは、人間とまったく見た目の変わらない、ひとりの…

  • 短篇小説「誰得師匠」
    2020/07/17 17:31
    短篇小説「誰得師匠」

    今日も劇場の楽屋は誰得師匠のおかげでてんやわんやである。楽屋口から出たり入ったりしながら、トイレへ行った一瞬の隙に連れてきた鳩がいなくなったと誰得師匠が騒いでいる。担当の新人マネージャーを呼びつけては鳩の生態を語って聴かせ、劇場の女性スタッフを捕まえては鳩の餌代がいかに高くつくかを熱弁する。 三十分ほどスタッフ総出で探索させたのち、楽屋でのんびり煙草を吹かしている誰得師匠にマネージャーがおそるおそる声をかける。「すいません、まだ見つかってなくて……」 新人が怒鳴られるのを覚悟してほとんど目をつぶりながらそう言うと、誰得師匠は驚くべき返答をしれっと口にした。「ああ、鳩ならここにあったよ」 そして…

  • 短篇小説「自転車通学者の恋」
    2020/07/13 19:02
    短篇小説「自転車通学者の恋」

    純介は高校時代、男子校へ自転車で通っていた。おかげで彼はひとりの女子ともつきあうことができなかった。 だがそれはけっして、貴重な青春期の行き先が男の園だったからではない。純介は、すべては自転車通学のせいだと思っている。自転車通学という手段は、即刻廃止すべきだとすら考えている。自分が動き続けている限り、恋など生まれようがないからだ。恋とは、どうやら止まった場所からしか発生しないものらしい。 高校へ入学し、学校との微妙な距離感から自動的に自転車通学が決定したとき、純介は小躍りして喜んだものだ。彼は自転車に乗ることを純粋に楽しんでいたし、なによりも青春映画や歌謡曲で頻繁に描かれる、荷台に女の子が横座…

  • 短篇小説「課金村」
    2020/07/10 15:29
    短篇小説「課金村」

    この村ではなにもかもが無料である。一見そのように見える。本当にそうなのかもしれない。本当はそうなのかもしれない。ということは、そうじゃないのかもしれない。 朝から公園を散歩していた私は、喉が渇いてきたので自販機でジュースを購入しようと考える。ここでつい「購入」などと言ってしまうのは、前時代的な貨幣経済に毒された旧人類たる私の悪い癖だ。 ここではなにもかもが当たり前のように無料であり、自販機に並んだ十数個のボタンは、いずれも最初からここ押せワンワンとばかりにまばゆい光を放っている。そもそもコインの投入口など、どこにもありはしない。 早くも疲れを感じていた私は、選び放題の中から栄養ドリンクのボタン…

  • 短篇小説「連&動」
    2020/07/03 14:31
    短篇小説「連&動」

    膝五郎が街でたい焼きを食べ歩いている。いや正確には究極のたい焼きを求めて何軒もまわっているというわけではなく、単に歩きながら手近な一匹を食べているだけなので「歩き食べている」と言ったほうがいい。日本語の複合動詞では、後に来る動詞のほうが主役になるという法則があるらしい。 膝五郎はたい焼きを歩きながら食べるものだと思っているので、それを立ち止まって食べる、つまり「止まり食べる」ことなどけっしてあり得ない。もちろん「座り食べる」こともない。 それでいうと、「座り止まり食べる」ことが最も可能性が低いということになる。一方で「座り歩き食べる」ことならば、かなり下半身に負荷がかかることが予想されるが完全…

  • 短篇小説「迷信迷走」
    2020/06/12 18:51
    短篇小説「迷信迷走」

    迷村信彦はスマホであれ一眼レフであれ、写真を撮られるのが嫌いだ。それはもちろん、〈写真を撮られると魂を抜かれる〉という迷信を信じているからにほかならない。 なぜそうなのかは知らないが、おそらく生きた魂は固定されることを嫌うのだろう。その証拠に、〈動画を撮られると魂を抜かれる〉という説は聞いたことがない。 信彦がパスタを食べるときにフォークで巻かないのは、〈パスタを巻くとどこかで何かのネジが緩む〉からだ。 全世界の「巻き」の総量は決まっていて、誰かがどこかで何かを右に巻くと、どこかで何かが同じくそのぶん左に巻かれることで、この世界のバランスは保たれる。そんな「巻量保存の法則」を信彦は信じている。…

  • 短篇小説「挨拶の懊悩」
    2020/06/09 01:24
    短篇小説「挨拶の懊悩」

    元気は元気であることに疲れていた。誰かと久しぶりに会うたび、いちいち「お元気ですか?」と訊かれるのが面倒で仕方なかったのである。 そんなのはもちろん単なる挨拶の常套句であって、本当に目の前の相手が元気か元気でないかなど誰も気にしているわけではない。それはわかっているのだが、元気に許されているのはいつだって「元気です!」という快活な返事ただ一択のみであった。元気にはそれが不本意で仕方ない。自分がたいして元気でないときには、それは嘘をついていることになってしまうからだ。 元気はかつて一度だけ正直に、「お元気ですか?」との挨拶に「それほどでもないです」と正直に答えてみたことがあった。その日は本当にな…

  • 短篇小説「風が吹けば桶屋が儲かるチャレンジ route 1」
    2020/06/05 15:41
    短篇小説「風が吹けば桶屋が儲かるチャレンジ route 1」

    一陣の風が、吹いた。はたして桶屋は儲かるだろうか。 駅前の大通りを通り抜けた風が、路上に落ちていたコンビニ袋を舞い上げた。宙を舞ったコンビニ袋が、直進してきた八百屋の軽トラックのフロントガラスに貼りつき、その視界を奪う。八百屋の軽トラは急ブレーキを踏んだが、その急停止のせいで、後方から大型トラックに追突される。その衝撃で軽トラの荷台に積み込まれていたダンボールの蓋が次々と開き、大量のリンゴが路上へとばら撒かれた。 そこを通りかかった親切なお婆さんが、きんちゃく袋かららくらくホンを取り出しすぐに警察と救急車を呼んだ。お婆さんと集まってきた野次馬たちは、心配気に状況を見守りつつも、手持ち無沙汰から…

  • 短篇小説「正論マン」
    2020/06/04 15:54
    短篇小説「正論マン」

    正論ばかり言う正論マンがセイロンティーを飲んでいる。これは駄洒落だが駄洒落こそが正論なのではと正論マンは最近思う。 たとえ言葉の響きだけであっても、一致している部分があるというのは間違いなく正しい。もしも正論マンがダージリンティーを飲んでいたら、「なぜセイロンティーじゃないんだ?」と言われてしまうことだろう。それは正論マンがセイロンティーを飲むのが正論だと皆が感じているからにほかならない。 正論マンは町のネジ工場に務めている。ある朝出社すると正論マンは部長に呼び出され、「いま開発中の新型ネジの進行状況はどうなってる?」と訊かれた。「僕はネジじゃないので、わかりません。ネジのことを知りたかったら…

  • ショートショート「売らない師」
    2020/06/01 14:02
    ショートショート「売らない師」

    僕はその日も売らない師の店を訪れていた。 売らない師の店では、なんでも売っているがなんにも売っていない。食品もおもちゃも洋服もペットも電化製品も、その他なんだかわからないものまで扱っているが、この店で誰かがなにかを購入する場面を、僕はこれまで一度たりとも見たことがない。それどころか、買ったという話を聞いたことすらない。だからこそ彼女は、誰が呼んだか「売らない師」と呼ばれているのだ。 それでも僕がついつい売らない師の店に立ち寄ってしまうのは、もちろん置いてある商品がすこぶる魅力的であるから。この日も僕は、棚の隅っこにさりげなく置いてあった商品がどうしても欲しくなってしまった。丸っこくて柔らかくて…

  • 短篇小説「机の上の空論城」
    2020/05/27 19:23
    短篇小説「机の上の空論城」

    いよいよ私はたどり着いた。旅の最終目的地である、この大いなる「空論城」へと。 門前から見上げると、「空論城」は四本の太い木の柱に支えられた巨大な板の上に、そう、まるで机の上に建っているように見えた。さすがはかの有名な言葉「机上の空論」の語源となった城である。それは土台となる机の上にその底面を接しているようでありながら、そこからやや浮遊しているような不安定さをも孕んでいた。 思えば長い旅路であった。そのはじまりには、私を呼び出した王様との口論があった。 たしかに世は乱れ、平和などすっかり遠い昔の夢物語のようであった。だが前回の凄惨な大戦からの教訓としてもたらされた非暴力の思想は、なおも崩れてはい…

  • 短篇小説「電動アシスト式告白機」
    2020/05/23 15:19
    短篇小説「電動アシスト式告白機」

    たいした脚力も必要なく坂道をすいすい登れる電動アシスト式自転車に驚いていたのも、今は昔。近ごろではすっかり、何から何まで電動の力を借りるようになった。箸の上げ下げに至るまで、今や電動アシストなしには考えられない。もはや人類そのものが、すでに「電動」であるといっても過言ではないのかもしれない。 電動アシスト式スニーカー、電動アシスト式マフラー、電動アシスト式カツラ、電動アシスト式たて笛、電動アシスト式入れ歯――人間のあらゆる部位に電動アシスト機能は役立っているが、ここへ来て人間の「部位」ではなく「行動」を、いわゆる「もの」ではなく「こと」をアシストする電動システムが発売される段階に至ったのは、進…

  • 短篇小説「よろずサポートセンター」
    2020/05/20 18:12
    短篇小説「よろずサポートセンター」

    私は何か困ったことがあると、必ず「よろずサポートセンター」に相談することにしている。みんなもそうするといい。電話に出た「よろずサポーター」が、なんでも解決してくれる。本当に最高のサービスがここにある。その手段さえ問わなければ。 仕事から帰ってきて部屋の電球が切れていることに気づいたときも、私は即座に「よろずサポートセンター」に電話をかけた。すると電話に出たよろずサポーターの指示により、三十分もしないうちに一流テレビ局の照明スタッフ数名が駆けつけ、様々な角度から、夜が明けるまで私を激しく照らし続けてくれた。 おかげで私は一睡もできなかったが、初めて俳優のような気分を味わうことができた。替えの電球…

  • 短篇小説「抽選の多い料理店」
    2020/05/15 18:34
    短篇小説「抽選の多い料理店」

    近ごろ、美食家兼ギャンブル好きのあいだで評判のレストランがあるという。その店は、「抽選の多い料理店」と呼ばれている。「抽選の多い料理店」を訪れるには、まず抽選に当たらなければならない。なにしろ「抽選の多い料理店」なのだから、当然の話である。しかしこの入店権を得るまでの道のりも、やはりひと筋縄ではいかない。 この店の噂を耳にした人間は最初、必ずやインターネットの検索窓に「抽選の多い料理店」と入力して店のことを調べる。驚くべきことに、この段階で早くも抽選が行われているとも知らずに。 そこで表示された検索結果一覧に店側の用意した抽選ページが表示される人は、ごく少数に限られている。同じワードを入力した…

  • 「Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ」パロディーSS 宮本英明様作
    2020/05/14 19:41
    「Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ」パロディーSS 宮本英明様作

    創作 オリジナル SS ショートショート 短編 パロディー キャラクター 小説 物語 短編小説 男の子 女の子 少年 少女 ノベル

  • 短篇小説「親切な訪問者」
    2020/05/14 13:00
    短篇小説「親切な訪問者」

    とある休日の昼下がり、私は自宅で時間指定の宅配便を待っていた。指定した時刻は十四時~十六時。そしてラジオの時報が十四時を知らせた瞬間、早くも部屋のインターホンが鳴った。 こんなことは珍しい。こういうのはたいがい中途半端な、最も来られては都合の悪いタイミングで来ると相場が決まっている。たとえばちょうど開始時刻から四十分ほど過ぎてトイレに行きたくなり、さらにそこから十五分ほど我慢していま行くべきかまだ待つべきか大いに迷った挙げ句、我慢の限界が来て用を足しはじめたところで鳴ったりするものだ。 排便を途中で切りあげるほど難しいことはない。小ならば残尿感、大ならば残便感さらには拭き残しを抱えたまま玄関に…

  • 短篇小説「過言禁止法」〈改稿〉
    2020/05/12 01:20
    短篇小説「過言禁止法」〈改稿〉

    SNSの流行により日本語は乱れに乱れた。どう乱れたかといえば端的に言って万事表現がオーバーになった。 短文の中で自己表現をするとなれば、自然と過激な言葉に頼るようになる。さらには、ただ一方的に表現するだけでなく互いのリプライによる相乗効果も働くとなれば、言葉がなおさら過激化するのは必然であった。そこで日本語教育の行く末を憂う文科省が中心となり政府が打ち出した政策が、2020年夏より施行された「過言禁止法」である。 この法律により禁止されるのは、「事実とは異なる過剰な表現」ということになっている。なぜならば政府によれば、「言い過ぎている表現=過言」こそが人心を乱すデマの源泉であると目されているか…

  • 短篇小説「桃太郎そのあとに〈童話後日譚〉」
    2020/05/09 13:46
    短篇小説「桃太郎そのあとに〈童話後日譚〉」

    かつてない鬼退治の大成功により、その中心人物である桃太郎の人気は爆発した。 民衆に甚大な被害をもたらしていることを認識していたにもかかわらず、その事実を隠蔽して鬼を放置し続けてきた時の政権はにわかに求心力を失い、鬼に苦しめられてきた人民の誰もが桃太郎政権の誕生を望んだ。それは民衆の自然な心の動きであった。 どこへ行っても街を歩けば行列ができるほどの握手攻めに遭い、その人気にすっかり気を良くした桃太郎は、やがて全国各地で一斉蜂起した民衆らの一揆勢力に担ぎあげられる形で、反政府運動の象徴となった。 各種動物をも戦力としてまとめあげたその無類のカリスマ性により、一般市民は武器の貧弱さをも乗り越える圧…

  • 短篇小説「豚に真珠そのあとに〈ことわざ後日譚〉」
    2020/05/06 18:27
    短篇小説「豚に真珠そのあとに〈ことわざ後日譚〉」

    豚は戸惑っていた。今朝、飼い主である王様から突然に、真珠の首飾りをかけられたからである。それはとてもキラキラと輝いていたが、残念ながら美味しそうには見えなかった。きっと口には入れないほうがいいだろう。 豚は最初、一部の凶暴な動物たちのように、いよいよ自分にも首輪をつけられたのかと考えた。しかし豚は王様に飼われている他の動物らと比べても、特に素行不良なところはないと自負していたし、なによりその首飾りは、頑丈というよりは繊細と表現すべき代物であるように見えた。豚の足でつけはずしなどしようものなら、一発ですべての真珠が四方八方へと弾け飛んでしまいそうだ。 しかし豚は王様に逆らうことに身の危険を感じて…

  • 短篇小説「犬も歩けば棒に当たる」〈ことものわざがたり〉
    2020/05/02 09:34
    短篇小説「犬も歩けば棒に当たる」〈ことものわざがたり〉

    これは紆余曲折を経て、最終的に犬が歩いて棒に当たるまでの話である。 犬が、歩いていた。あるいは、歩いている犬がいた。場所はどこにしようか。とりあえず街中にしてみようか。 犬の前にまず、電柱が現れる。これは棒と言えるだろうか。かなり長くて大きいが、棒とは言えるだろう。犬は後ろ右足を上げて、電柱に小便をひっかけた。 いつもそうしているのだから、これは当たる用の棒ではなく、小便をかける用の棒だ。もちろん犬にとっては、電気を各家庭へ供給するための棒などではない。もしも電柱に当たる犬がいるとしたら、すでに意識が朦朧としているか犬ではないかのどちらかだと思われる。 次に犬の前に現れるのは、道路側からの侵入…

  • 短篇小説「かつぎ屋」
    2020/04/30 18:32
    短篇小説「かつぎ屋」

    その日の私は、とてもかつぎたい気分だった。舌先三寸で難攻不落の某大手企業を口説き落とさなければならないという、かつてない大仕事が翌日に控えていたからだ。我が社の命運をかけた新商品のプレゼンを、私は任されていた。こんなときは何かしらかつがないことには、とてもやっていられない。誰だってそうだろう。 翌朝のプレゼン準備を完璧に整えた私は、しかしいまだ不安が拭えぬまま、仕事帰りに行きつけのかつぎ屋へと向かった。今日はいったい何をかつがせてくれるのだろうか。適切なものさえかつがせてもらえれば、何がどうなろうと次の日のプレゼンは上手くいくような気がした。逆に何もかつがないままでは、何をやってもうまくいかな…

  • スペースエイト 第80話   モウ=マドゥー帝国首都惑星サッマー~その17~
    2020/04/27 19:22
    スペースエイト 第80話 モウ=マドゥー帝国首都惑星サッマー~その17~

      にほんブログ村にほんブログ村   第80話   「何も……何一言……いう事も出来ず……送ってくれた戦士の瞳。なんて……なんて間抜けで鈍感だったんだ、この俺…

  • 短篇小説「逆接さん」
    2020/04/27 18:05
    短篇小説「逆接さん」

    その魅力を語るには、どうしても逆接を用いずして表現できない女、それが「逆接さん」である。 逆接さんは魅力的な女性ではあるが美人ではない。身長は高くないが実際の身長を聞いてみると、それよりはだいぶ高いなと誰もが思う。性格は温厚だが激しい。時に温厚だったり時に激しかったりというのではなく、常時温厚で常時激しいのだからそうとしか言いようがない。梅干しは嫌いだが梅ガムを好んで食べる。 学生時代の逆接さんは、バレーボール部に所属していたがバレーボールが好きではなかった。しかしバレーボールは好きではないが、練習は好きだった。練習が好きなのにもかかわらず、雨で部活が中止になると誰よりも喜んだ。体育館の天井に…

  • 短篇小説「桃太郎ネガ」
    2020/04/26 01:29
    短篇小説「桃太郎ネガ」

    むかしむかし、ある暗雲たちこめる鬱蒼とした僻地に、中二病のお爺さんと、実年齢よりもはるかに老けて見えるお婆さんがいました。 ある日、お爺さんは自殺の名所として有名な山へ柴刈りに、お婆さんは上流にある工場排水で汚染された川へ洗濯に行きました。 お婆さんが「どういうわけか、洗えば洗うほど、服が汚れていくような気がするねぇ」と思いながら洗濯をしていると、川上から「どんぶらこ、どんぶらこ」と、地獄の釜が煮えたぎるような音をたてて、大きな桃が流れてきました。「あんらまぁ、信じらんねぇくらい大きな桃だけんども、なんだかあちこち黒ずんどるわ。八百屋の店先で、だいぶいろんなお客さんに指で押されたのかねぇ」 お…

  • 短篇小説「喩え刑事」
    2020/04/23 15:12
    短篇小説「喩え刑事」

    管轄内で立てこもり事件が発生したとの通報を受け、喩え刑事がパトカーで現場へ急行した。五十代の男が、別れた妻とその娘を人質に立てこもっているという。 喩え刑事は、助手席に乗るゆるふわパーマの新米刑事に言うでもなく呟いた。「いま俺たちは、まるで矢のように現場へ向かっているな」 新米刑事は、パトカーの形はそんなに矢のように尖っているわけでもないな、と思ったので何も考えずに生返事で済ませた。しかし喩え刑事は、「だろ?」と満足気な様子でアクセルを踏み込んだ。 二人の刑事は、まもなく住宅街の中心部にある現場に到着した。すでに盾を持った警官隊が、古ぼけた一戸建てをすっかり包囲していた。「ずいぶんと大袈裟だね…

  • 短篇小説「人望くん」
    2020/04/18 13:15
    短篇小説「人望くん」

    どこの世界にも、いったいその人がなぜそんなに評価されているのか、その要因がどうにも思いあたらない人物というのがいる。イケメンでも演技派でもない大御所俳優。美人でも巨乳でもないグラビア女王。失言まみれ汚職まみれの大物政治家――。 挙げればキリがないが、考えてみれば小学生のころからそういう奴はいた。私は彼のことを、羨望と揶揄の念を込めて「人望くん」と呼んでいた。 人望くんは、とにかく先生に怒られなかった。私たち男子が休み時間のドッヂボールに夢中になりすぎて、校庭から教室に戻るのが遅れたときもそうだった。担任の中年男性教師は、教室の前扉の前に仁王立ちして僕らを待ち構え、遅れてきた生徒に次々と容赦ない…

  • 短篇小説「某気茶屋」
    2020/04/15 19:12
    短篇小説「某気茶屋」

    そう、ここは繁華街にある居酒屋『某気茶屋』。今日も我が店は、あらゆる「気」にあふれている。 その原動力となっているのが、各店員がそれぞれに放っている「気分」である。我が店ではスタッフの個性を重視して、各人の胸の名札に、苗字とともに「その日はどんな気分であるか」を表記している。その日の気分によって、挨拶も必然的に変わる。 ここがもしも『やるき茶屋』であるならば、店員の気分にかかわらず、注文を承った際の挨拶は「はい、よろこんで~!」と相場が決まっている。しかし我が店のモットーは「正直接客」であり、店員の気持ちに嘘をつきたくはない。 店員だって人間である以上、やる気のないときだってあるし、好きでもな…

  • 短篇小説「い・ら・な・いオートマティック」
    2020/04/13 20:30
    短篇小説「い・ら・な・いオートマティック」

    二十二世紀に入り、この世のあらゆるものが自動になったが、どこを自動化するかは個々人のセンス次第だ。 僕は毎朝八時に目を覚ます。もしも寝ぼけてスマホのアラームを止めてしまったとしても、まったく問題はない。五分後に再びアラームが鳴ったときには、スマホの時刻表示のほうが八時ちょうどに合わせてくれるからである。 もちろん世界の標準時までが僕に合わせてくれるわけではないので遅刻はするが、会社に到着するまで遅刻に気づかなくて済むというのは、無駄なドキドキがなくて良いものだ。 ようやくアラームに反応して目を開けると、その動きに連動して自動的にまつげが立ち上がる。同じく鼻毛も真っすぐに屹立して、僕は戦闘態勢に…

  • スペースエイト 第64話   モウ=マドゥー帝国首都惑星サッマー~その1~
    2020/04/11 18:35
    スペースエイト 第64話 モウ=マドゥー帝国首都惑星サッマー~その1~

      にほんブログ村    第64話   お誂え向けの小惑星もあったものだ。モウ=マドゥー星系から手早く派遣されてきた救助と修理を行う部隊は、移動中も手早く周辺…

  • スペースエイト 第63話   エージェントに~その10~
    2020/04/10 18:17
    スペースエイト 第63話 エージェントに~その10~

        にほんブログ村    第63話  「英人君でいいかな?」 大国様が突然……。  「宇宙には……うまく言えないけど……意識があるって……星の輝き、惑星の…

  • スペースエイト 第62話   エージェントに~その9~
    2020/04/09 18:17
    スペースエイト 第62話 エージェントに~その9~

       にほんブログ村   第62話 「名前を頂いた日」  「信じられないんです、夢なら覚めてなんかほしくないんです。だって、誰も何も信じられないんじゃないかっ…

  • 短篇小説「鶴太郎の恩返し」
    2020/04/09 00:10
    短篇小説「鶴太郎の恩返し」

    むかしむかし、北の国の山奥に、とある老夫婦が住んでいた。ひどく雪の多い冬だった。 ある日、お爺さんはたまの晴れ間を縫うように、森へ柴刈りに行った。森の奥へと歩いてゆくと、さっきからずっと鳥の鳴く声がしていることに気づいた。それは「キューちゃん、キューちゃん」という、なぜか「ちゃんづけ」の、九官鳥のような独特の鳴き声であった。 お爺さんが声の聞こえるほうへ歩みを進めてゆくと、雪の中でもがき苦しんでいる、すこぶる富士額で骨太な鶴の姿が目に入った。鶴はその足を、錆びついた金属製の罠に挟まれて身動きできずにいるのだった。 お爺さんが罠をはずしてやろうと苦戦していると、鶴の周囲に禿げ散らかしたヒヨコの一…

  • 短篇小説「鶴よ恩返せ」
    2020/04/04 19:13
    短篇小説「鶴よ恩返せ」

    むかしむかし、北の国の山奥に、とある老夫婦が住んでいた。ひどく雪の多い冬だった。 ある日、お爺さんはたまの晴れ間を縫うように、森へエロ本を拾いに出かけた。山道の脇に、よく落ちているのだった。お婆さんには「柴刈りに行く」と嘘をついて出てきた。夫婦関係はすでに冷え切っていた。 深い雪の中を進んでゆくお爺さんのモチベーションは高かった。読み終えたエロ本は、街の古本屋へ持っていけば高値で売れた。そういう時代だったのだ。どういう時代だったんだろう。 しかしここ最近の大雪は、エロ本だけでなく何もかもを埋め尽くしてしまっているように思われた。お爺さんはスコップで雪を掻きわけつつ進んだが、いっこうに獲物は見あ…

  • 短篇小説「某校の卒業式」
    2020/03/23 20:05
    短篇小説「某校の卒業式」

    今日は晴れて我が校の卒業式であった。それはこのたび、晴れて卒業を迎えた私にとって忘れられぬ卒業式となった。忘れるほうが難しい、といったほうが正確かもしれない。 我が校の卒業式は、廃線となったかつての最寄り駅のホームを貸し切りにして行われる。だからといって、鉄道関係の専門学校というわけではない。すでになんの役にも立たない駅が依然として取り壊されず保存されているのは、我が校の卒業式のためであるという説もある。 ホームの端から端まで、パイプ椅子を二列にずらりと並べて卒業生が着席する。それを送る在校生のほうは、ホーム下の両脇を走る線路上から、ホームを見上げる形でのオールスタンディング形式となっており、…

  • 電子書籍『悪戯短篇小説集 耳毛に憧れたって駄目』無料配布キャンペーンのお知らせ
    2020/03/10 20:34
    電子書籍『悪戯短篇小説集 耳毛に憧れたって駄目』無料配布キャンペーンのお知らせ

    このたび、久々に拙著電子書籍の無料配布キャンペーンを開催することにしました。そうです。このたびの新型コロナウイルス絡みで、いろんなところが部屋にこもらざるを得ない子供たちのためにと、無料キャンペーンを行っているのを見て、僕も何かしなければと思ったのです。と言いきりたいところですが、ここには子供たちに向けたお話はひとつも入っていないので、単に世間の流れを受けてKindleにそんなキャンペーン機能があったのを思い出した、というのが正直なところでしょうか。そうなると親御さん世代に読んでほしいところですが、残念ながらPTA受けする内容でもまったくないという事実。この時点で、もうどこへ向けたキャンペーン…

  • 短篇小説「アバウト刑事」
    2020/03/06 23:54
    短篇小説「アバウト刑事」

    トレンチコートのようでトレンチコートでないような、いやコートとすら言えないかもしれないアバウトな上っ張りの襟のような一帯を立て、今日もアバウト刑事が事件の捜査を開始する。具体的にそれがどんな事件かと問われれば答えようがない。なぜならば彼は、アバウト刑事だからだ。 とはいえ仕事は仕事。まずは現場へ急行しなければならないのが刑事の務めだ。しかし現場といっても、どこが現場なのかを特定するのは難しい。もちろんそれは、上司からの指示を彼がアバウトにしか聴いていないからだ。「そんなことでは刑事の仕事は務まらないはずだ!」そんなお叱りの声もあるだろう。だが彼がアバウト刑事として働き続けられているのは、至極ア…

  • 短篇夢小説「目覚めのチャーハン」
    2020/02/18 20:40
    短篇夢小説「目覚めのチャーハン」

    引っ越したばかりの新居で目を覚ました私は、どうやら自分が床で寝ていたことに気づいた。そんなことはこれまで一度もなかった。引っ越したてなのでまだベッドがないのかもしれなかった。しかし引っ越すとしたら、真っ先に寝床の心配をするのが自分であるように思ってもいた。 上半身だけ起こして周囲を見渡すと、私はそこが思ったより広い部屋であることに驚いた。たしかに私が賃貸契約を結んだのはワンルームであり、そこはたしかにワンルームであることに間違いはないのだが、だだっ広いコンクリート打ちっぱなしのその様子は、明らかに店舗用物件であるように思われた。 私はとりあえず顔を洗って目を覚まそうと洗面所を探したが見当たらず…

  • 短篇小説「絵馬神の憂鬱」
    2020/01/30 22:21
    短篇小説「絵馬神の憂鬱」

    絵馬専門の神を「絵馬神」という。絵馬というのはもちろん、願い事を書いて吊るす五角形のアレである。近ごろは神様の仕事も分業化が進んでおり、絵馬神は絵馬に書かれた願いごとを叶えること以外やってはいけないことになっている。いわゆる働き方改革というやつであり、おかげで残業が減ってプライベートが充実した。 とはいえ、人間というのは書けばなんでも叶うと思っているようで、神社には大量の絵馬が毎日のように追加されてゆくから、絵馬神は絵馬しか見ていないとはいえ全然暇ではない。 ただでさえ時間のない絵馬神、本来ならば、すべての願いを比較検討したうえで、叶えるべき優先順位をつけてから実力を行使してゆくべきところだが…

  • 短篇小説「理由あり不動産」
    2020/01/20 18:01
    短篇小説「理由あり不動産」

    更新を二ヶ月後に控え、目下賃貸物件を探して商店街を練り歩く憑彦が不動産屋の前を通りかかったのは、まさに運命というほかないだろう。その程度のお安い運命ならばどこにでも転がっている。 路上に設置された立て看板には、〈リーズンホワイ〉という店名が縦書きで記してある。その文字を修飾すべく脇に「理由あり不動産」と銘打ってあるのが気になるところだ。しかしその右列にはさらに「説明詳細、懇切丁寧! 理由がわかれば怖くない!」とフォローのキャプションが小さな文字で一行つけ足されている。 たしかに人は何よりもわからないものを恐れる。ひょっとしたらいい人かもしれない宇宙人を人間が異様に恐れるのは、その正体がただただ…

  • 短篇小説「失礼くん」
    2020/01/15 00:10
    短篇小説「失礼くん」

    「失礼しま~す!」 今日も失礼くんが、元気よく知らない家に上がりこんでゆく。もしもあなたが彼に失礼されたくないのなら、この時点で「失礼しないでください!」と即座に返答しなければならない。さもなくば、失礼くんはこのひとことが受け入れられたことによって、以後すべての失礼を許されたと解釈し、失礼の限りを尽くすことになる。この日も特に返事は聞こえなかった。 失礼くんは失礼な人なので、もちろんインターホンなど鳴らさないしノックなどするはずもない。とはいえ玄関の鍵さえ閉めておけば勝手に上がりこまれる心配もない……と言いたいところだが、失礼くんが上がりこむ家は、決まって玄関の鍵を掛ける習慣のない家と相場が決…

  • 短篇小説「ジダハラ」
    2019/11/15 13:38
    短篇小説「ジダハラ」

    世間では時短ハラスメント、略して「ジタハラ」というものが流行っているようだが、わたしの職場では「ジダハラ」にすっかり迷惑している。 ジダハラの原因は、わたしと同じ職場で働く壇田踏彦という男である。踏彦はことあるごとに地団駄を踏む。その足音が、周囲をジリジリと苛つかせるのである。すでにおわかりだとは思うが、ジダハラとは「地団駄ハラスメント」の略である。 厄介なのは、われわれ地団駄を踏み慣れていない人間にとって、いまだ地団駄という行為が未知の領域であるということだ。地団駄とは本来、怒りや悔しさから踏むものと思われている。だが踏彦の様子を観察した結果、わたしを含む周囲の同僚らの見解では、それは地団駄…

  • 間違いだらけの「新語流行語全部入り小説2019」
    2019/11/06 23:30
    間違いだらけの「新語流行語全部入り小説2019」

    ある朝求人サイトにあな番の広告が出ていた。電話をかけてみたらいきなり採用となった。あな番とはアナウンサーの番組でもアナーキーな番長でもなく、穴の見張り番をする仕事だと説明されて、それくらいなら僕にもできると思ったのが不幸のはじまりだった。あらゆるバイトをクビになってきた僕にとって、それはなんとか食いつないでゆくための、いわば命を守る行動であったはずなのだが。 アルバイト初日に呼び出された場所はオフィスではなく、とある山の中腹にある山小屋であった。そこで僕を待っていた主任は、山小屋の前にぽっかりと開いた直径10メートルほどの大きな穴の前で僕に言った。「とりあえずこの穴を、日が暮れるまで守ってくだ…

  • 短篇小説「来店ルーティーン」
    2019/10/31 16:17
    短篇小説「来店ルーティーン」

    泣ける曲を口ずさんでいる男が街角を歩いていると、本当は喫茶店をやりたかった八百屋の前でいつもニヤニヤしている男と出会った。泣ける曲を口ずさんでいる男といつもニヤニヤしている男は中学時代の同級生であったが、特に仲が良いわけではない。「やあ、久しぶりだね(ニヤニヤ)」 いつもニヤニヤしている男はこのときもやはりニヤニヤしていた。もちろん泣ける曲をくちずさんでいる男も、泣ける曲を口ずさんでいたからこそそう呼ばれている。二人は十年ぶりに出会ったが、十年前に偶然遭遇したときも二人はその状態だった。だから泣ける曲を口ずさんでいる男は、いつも泣ける曲を口ずさんでいる男と言ってもいいかもしれない。これからはそ…

  • 短篇小説「なにがなんだか飛翔体」
    2019/08/03 15:11
    短篇小説「なにがなんだか飛翔体」

    隣国から正体不明の飛翔体が発射されたまさにそのとき、前日のフットサルで起きたアクシデントにより負傷体となった翔平は、強くひねった右の足首体が発する激しい痛みのせいで、予定より一時間も早く起床体となった。 だが足首体が石膏体によりすっかり固定体となっていることを思考体に入れれば、今日はいつもよりも早めに木造体の建築体であるところの多面体を出るべきであるとちょうど考えてもいた。 そして鉄道体が所有する建造体から、電気体による駆動体であるキハやらモハやらと楷書体で書き込まれた直方体の移動体へと、すみやかに乗り込んでひとりの乗客体となりたいところだ。 しかし医療体の判断により装着された石膏体のせいで、…

  • 短篇小説「ABCマートの店内でだけ流れてるラジオ」
    2019/07/08 15:45
    短篇小説「ABCマートの店内でだけ流れてるラジオ」

    強く細かな雨がノイズのように降り注ぐ平日の昼下がり。差した形跡のない白い粉を吹いたビニール傘を手に、濡れそぼった姿で我がオフィスの会議室に現れた自称23歳の女は、面接官である私の目の前で、恐るべき志望動機を語ったのであった。「《ABCマートの店内でだけ流れてるラジオ》番組ってあるじゃないですか?」 聴取率30%台の番組を語るようなその自信にあふれた声のトーンに、私は「ですね」としか言えなかった。「わたし、あの《ABCマートの店内でだけ流れてるラジオ》のパーソナリティーになりたいんです。ここでなれますか?」 たしかに、当社はアナウンサーが多数所属する芸能事務所であり、私はその採用担当者である。そ…

  • 短篇小説「夢のまた夢のまた夢」
    2019/07/05 10:45
    短篇小説「夢のまた夢のまた夢」

    目が覚めると僕はプロ野球選手になっていた。これは僕が生まれてはじめて抱いた夢だ。寝て見る夢ではなく、起きて抱く夢だ。だからこれは夢の中の話ではなく、外の話ということになる。どちらが現実かなんて、取るに足らないことだろう。 しかしプロ野球選手の僕は、引退後に生き甲斐を失い、酒びたりの毎日を送ることとなった。毎日が無力感に溢れていた。子供のころ、引退後のことまで夢に見ることを忘れたからだ。こんなことならば、第二の人生まで計画的にしっかり夢に見ておくべきだった。だが夢に計算など似合わない。ひとり酒を飲んで前後不覚で眠る日々を続けるうち、再び目覚めの時が訪れた。 目が覚めると僕はパイロットになっていた…

  • 【当ブログへの入口】ウェルカム短篇小説おすすめ5選【もしかするとそのまま出口】
    2019/07/05 10:45
    【当ブログへの入口】ウェルカム短篇小説おすすめ5選【もしかするとそのまま出口】

    久しぶりに長編小説を書こうと思っていて、何かネタになるものはないかという浅ましい思いで、当ブログに書いた自作短篇小説を珍しく読み返してみたりしている。本来自分が書いたものを読み直すのは好きじゃないのだが、改めて読んでみるとまったく身に覚えのないフレーズや展開が随所に出てきて興味深い。なので今日は、このブログを最近訪れるようになってくれた読者の方々への入門編として、また以前から訪れてはいるもののそんなにちゃんと読んでいない方々へ向けて(いやブログとは、だいたいそのようなものだと思ってます)、これまでに書いた短篇小説の中から、なんとなく思い浮かんだおすすめの5作を、今回の読み直しで印象に残った身に…

  • http://chutohampa.cocolog-nifty.com/blog/2018/12/act92-075c.html
    2018/12/27 00:00
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  • http://chutohampa.cocolog-nifty.com/blog/2018/12/act91-c67e.html
    2018/12/26 02:09
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  • https://tmykinoue.hatenablog.com/entry/2018/11/20/163208
    2018/11/21 05:09
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  • https://tmykinoue.hatenablog.com/entry/2018/11/10/135530
    2018/11/10 23:01
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  • https://tmykinoue.hatenablog.com/entry/2018/11/07/145002
    2018/11/07 23:53
    https://tmykinoue.hatenablog.com/entry/2018/11/07/145002

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