短篇小説「ガチ勢とその後続」
あるコンサート会場の入場口に、開演前の行列ができていた。その先頭に並んでいる第一の集団は、もちろんガチ勢であった。 ガチ勢のうしろには、マジ勢が陣取っていた。ガチ勢とマジ勢は、どちらがよりガチのファンで、どちらがよりマジのファンかで言い争っていた。結果、ガチ勢のほうがよりガチで、マジ勢のほうがよりマジであるということに決した。なんの意味もない議論であった。 マジ勢の後方には、スキ勢が続いた。スキ勢はこの日コンサートをおこなうアーティストのことを間違いなく好きであったが、好きになれる部分しか見ていない人たちだった。ガチ勢とマジ勢は、そこがどうにも許せない。本当に対象のことを好きであるならば、嫌い…